記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

続きを読む

故郷の酒

「ジョー、何見てるんじゃい?」 店内用のカートに食糧を満載した竜が、ジョーの視線の先を、顎に手をあてて一点を見つめるジョーの視線の先を見た。 そこには、葡萄酒の瓶が整然と並んでいる。竜の顔が険しくなる。 「酒なんか持ち込んだら博士から大目玉喰らうぞい」 俺の国の法律ではもう飲んでもいいんだぜ、とだいぶ前にジョーが得意気に言っていたことを竜は覚えていた。しかし、今彼らが暮らしているユートランド界隈では、...

続きを読む

試飲会

「なんか、変わった味だな」カウンターに座った彼は、マグカップを手にしたまま、年齢に似合わない渋い声で呟いた。「あら、美味しくなかったかしら」それなら折角仕入れたこのコーヒーはお店に出せなくなってしまう。大損害だわ。仕入れ値だって高かったのよ。「いや、旨いぜ。それに、良い香りだ。だけどよ、コーヒーらしくねえって言うか」そう言って、彼はマグカップを揺らす。「なんちゅうか、サッパリしてる、って言うんかい...

続きを読む

十五歳 Vol.9

「我々の関係を聞かれた?」部屋に戻ったジョーは南部に、ロビーでの不愉快な会話のことを報告した。「全く失礼な連中だぜ」ジョーは少女たちの言動に本気で腹を立てていた。南部は、腹は立たなかったものの、別の気がかりがあった。もしかして彼女たちは、ジョーのことを探っているのではあるまいか。書類上、ジョージ・アサクラはすでにこの世にいないことになっている。書類の手続きに抜かりはなかったし、墓も作ってある。だが...

続きを読む

十五歳 vol.8

「ジョー、起きなさい」南部がジョーの肩を揺すると、ジョーはうっすらと目を開けた。「夕食の時間だ。着替えなさい」ホテルのレストランとはいえ、リゾートホテルで、しかもブッフェ式なので煩わしいドレスコードのようなものはない。南部は上質な麻のシャツとズボンのみでジャケットは無し、ジョーもTシャツにブルージーンズという、至ってラフな服装である。それでも、レストランではウェイターが恭しく席まで案内してくれる。...

続きを読む

十五歳 vol.7

「どうした!?」尋常でない悲鳴に、南部は腰に手拭いを巻いただけの姿で浴場に駆け込んだ。「は、博士!ここは危険だ。ギャラクターの罠にちげえねえ!」南部の姿を見て、ジョーは血相を変えて叫んだ。「落ち着け、ジョー。何があったのかね?」「ここのお湯はまるで熱湯だ。異臭もする。こんなところに入っていたら火傷しちまう。博士、ギャラクターの仕業に間違いありません!」気色ばむジョーだったが、南部は顔色ひとつ変えず...

続きを読む

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。