記事一覧

龍の河 第二話

「姫さま?」ルカが怪訝な顔で自分をみていることに気がついたキャロルは、思わず口に手を当てた。見ると金髪の女も不思議そうな顔で自分を見ている。瞳はエメラルドを思わせる緑色、歳はキャロルより少し上のような感じである。アイシスと同じくらいであろうか。「何でもないわ。前に聞いたことを思い出して」古代に来てから何度こういうことをしたかわからないが、一向に進歩のないキャロルである。「お疲れでしょう、さ」女は葦...

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龍の河 第一話

唐突ですが、王家の紋章のミュージカルがあまりにアレだったので、つい二次創作を書きたくなりました。王家の紋章―黄河編(^^;原作の古代世界漫遊も、まさかここまでは!?どうやってキャロルを黄河まで来させるか、ですが。アイシスからご招待の粘土版レター(罠ですね)が届く→キャロルはアイシスの子供の顔を見ようと、メンフィスの反対を押しきってバビロニアへ向かう→イズミル王子も追っかけて来るが、その動きをなぜかメディア王...

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故郷の酒

「ジョー、何見てるんじゃい?」 店内用のカートに食糧を満載した竜が、ジョーの視線の先を、顎に手をあてて一点を見つめるジョーの視線の先を見た。 そこには、葡萄酒の瓶が整然と並んでいる。竜の顔が険しくなる。 「酒なんか持ち込んだら博士から大目玉喰らうぞい」 俺の国の法律ではもう飲んでもいいんだぜ、とだいぶ前にジョーが得意気に言っていたことを竜は覚えていた。しかし、今彼らが暮らしているユートランド界隈では、...

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試飲会

「なんか、変わった味だな」カウンターに座った彼は、マグカップを手にしたまま、年齢に似合わない渋い声で呟いた。「あら、美味しくなかったかしら」それなら折角仕入れたこのコーヒーはお店に出せなくなってしまう。大損害だわ。仕入れ値だって高かったのよ。「いや、旨いぜ。それに、良い香りだ。だけどよ、コーヒーらしくねえって言うか」そう言って、彼はマグカップを揺らす。「なんちゅうか、サッパリしてる、って言うんかい...

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十五歳 Vol.9

「我々の関係を聞かれた?」部屋に戻ったジョーは南部に、ロビーでの不愉快な会話のことを報告した。「全く失礼な連中だぜ」ジョーは少女たちの言動に本気で腹を立てていた。南部は、腹は立たなかったものの、別の気がかりがあった。もしかして彼女たちは、ジョーのことを探っているのではあるまいか。書類上、ジョージ・アサクラはすでにこの世にいないことになっている。書類の手続きに抜かりはなかったし、墓も作ってある。だが...

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