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十五歳 Vol.9

「我々の関係を聞かれた?」
部屋に戻ったジョーは南部に、ロビーでの不愉快な会話のことを報告した。
「全く失礼な連中だぜ」
ジョーは少女たちの言動に本気で腹を立てていた。
南部は、腹は立たなかったものの、別の気がかりがあった。


もしかして彼女たちは、ジョーのことを探っているのではあるまいか。
書類上、ジョージ・アサクラはすでにこの世にいないことになっている。書類の手続きに抜かりはなかったし、墓も作ってある。
だがもし、墓が暴かれた場合は全てがご破算になってしまう。
当然だが、墓のなかに本人はいないのだ。
ジョージが生存している可能性がある、ということになれば、ギャラクターはジョージを探すにちがいない。
書類に署名した南部の名から、ジョーの存在を察知する可能性もある。
そうなると、ジョーとジョージ・アサクラは容易に結び付くはずだ。

とはいえ、女の子たちは見たところ、この辺りのごく普通の少女たちで、ギャラクターの息がかかっているようにはとても見えない。
「鬱陶しいったらねえぜ」
ジョーは悪態をつくと、ドサッっとベッドに寝転んだ。
南部はジョーを一瞥し、改めてジョーの過酷な状況を思い、心の中で溜め息をついた。
本来であれば、女の子たちとの出会いを楽しみたい年頃である。ジョーの育った地域の文化では尚更だ。
しかし、ジョーの抱えている事情を考えると、たとえ少女といえど、執拗に彼に絡んでくる以上、警戒をしないわけにはいかないのだ。


翌朝。

「それだけかね?」
朝食の席で、ジョーがテーブルに置いたトレーに載っている食事は、バランスこそ悪くないが、量は四十代の南部よりも少なかった。
「育ち盛りなんだからもっと食べたまえ。代謝のことを気にするのは二十年早いよ」
「普段はもっと食ってますよ。昨日は全然体を使ってねえからセーブしてるだけです。食い過ぎると体が重くなっちまって動きが鈍くなる」
嘘ではなかった。ジョーから見れば、南部の食べっぷりの良さが意外だった。
「それならいいんだがね。いつもそんな、減量中のボクサーみたいな食事では体が持たないはずだ。第一、身長が伸びなくなるぞ」
ナイフとフォークをせっせと動かしながら、南部はなかば脅すように言った。
「え、それは困る。今、170越えたところだから、あと十センチはないと」
「だったら乳製品や良質な蛋白質を摂りたまえ。私が君くらいの頃はそうしていた。おかげでこの通りだ」
南部は190センチを越える長身なので、今でもジョーとは頭ひとつの差がある。
「わかりました、博士。ヨーグルトやフォルマッジをどんどん摂って、二十歳になる頃には博士を追い抜いてみせますよ」

続く。
間が開いてしまったので、中途半端で短いですが取り合えず上げておきます。



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